#ハロプロ歌詞写経 第27回 失意の私の前に現れた彼ーチャンス of LOVEー
本日の楽曲「チャンス of LOVE」メロン記念日(2003)
・恋から少し逃げていた 失恋のせいにしたまま 友達に誘われたPARTY ぶらっと 来てみたけど
主人公は、失恋から立ち直れずにいた「私」です。夜のパーティーだから20代くらいですよね。失意の中で友達がパーティー誘ってくれて、まあいいかというくらいのノリで行ったんだと思います。
・あの人よりたくましくて 頼れそうな気がした人 考えるより恋しようって なんか思った瞬間
そのパーティーで素敵な男性と巡り会う。「考えるより恋しようって なんか思った瞬間」とあるように、直感で恋したいと思えるような素敵な男性。愛の第六感というやつですね。
・THE CHANCE OF LOVE 始まるわ AND THE CHANCE OF LOVE 危険な瞬間 離さないで抱きしめて 私を ずっと ずっと
この時点ではまだ心の中で言っている。付き合えたらこうして、と早る気持ち。その後の「見られてても口づけて」もそうですが、まだ始まってもいないのに激情的です。
・真夜中抜け出しましょうと あの人が誘ってくれた ごめんね友達のことは すっかり 頭になかった
そして夜も深くなった頃、意中の彼が誘ってくれます。「私」は迷わずOKしたし、なんなら友達はパーティーに置いてけぼりにしたくらい、彼に夢中だった。
・手を握り締め 星を見上げた 何も 口に 出さず
初対面の彼と、何も言わずに手を握り星を見上げる。もうこの時点で彼も同じ気持ちでいた。なんてロマンチックな展開…!
・THE CHANCE OF LOVE 始まった AND THE CHANCE OF LOVE 危険な匂い 離さないで抱きしめて 私を もっと もっと STAY WITH ME
ついに彼と「始まった」。この恋は恐らく、「私」がグイグイいってます。激情的なくらい好きすぎる気持ちで、溢れたままの行動。このあと「見つめながら口づけて」と、早速妄想したことが叶いそうになるですが、「私」はパーティーとかお酒入ったりとか、深夜だったり、あるいは失恋の反動とかで気が昂っている。付き合ってすぐなのに「見つめながら口づけて」と勢い任せに言ってしまう。…ただ口づけたとは言っていないので、彼に早すぎると言われたかもしれないし、口づけたかもしれないし…!?人は弱っているときに助けてくれた人を好きになりがちですが、「私」が弱りきってきた時に現れた彼は、まさに救世主のような存在と思えたのでしょう。
#ハロプロ歌詞写経 第26回 軽〜いノリの告白ーさぁ!恋人になろうー
・たった一言だけ 「好きです」が言えない 友達になったって そんなんじゃ 足んない<全然> プリクラ何枚もとってチュッチュチュッチュしたい みんなみたいに
主人公の子は、片想いしてる彼が好きすぎてる。気持ちが走りすぎてるくらいに好き。「プリクラ何枚もとって」ってところが2002年!って感じ。
・タロット占いじゃ 最高の めちゃラッキーディ 今日中に伝えなきゃ チャンスなんて ないんじゃない!
やるしかない!!って気持ち浮かれている。2番の「チャンスなんだ 行くっきゃない」も同じ勢いですね。
・恋人になろうよ 一人なんかやだよ か弱き乙女って こんなとき 思えちゃうわ
「恋人になろうよ」と、もう勢い任せの告白をしています。曲のノリも軽いですからね。この部分でサラッと、自分にも乙女心があったんだと、主人公は恋をして初めて知ったりしている。
・嫌な事あったって 電話が あったり 優しい言葉を 自然にくれる<でも> 他の可愛い子にもきっといい人なの? ちょっと ジェラシっちゃう
好きすぎるけど、彼を肯定しかしてないけど、少し過ぎる不安。独占欲があるが故。「他の可愛い子にもきっといい人なの?」って「きっと」だから、彼にとっては勝手に嫉妬されてるだけなんですけどねw
・いつまでも 誰よりも 愛してる 愛してる 百万回 愛してる<愛してる> 愛してる 愛してる 愛してる 愛してる 愛してる 愛してね
ここ最後だけ「愛してね」なんですよね。恋人になれたんです。告白というと改まって畏まってなイメージですが、「さぁ!恋人になろう」という軽~く告ろうぜ!みたいなノリの告白も良いですね。
ところで「愛のボタンを 連打!連打!」とはなんなんでしょう…。このもっと後、スマイレージ『夢見る 15歳』での「女の子には 秘密の 恋のボタンがあるのよ」にも通づると思います。
#ハロプロ歌詞写経 第25回 あるがままに生きて良いーダブル レインボウー
本日の楽曲「ダブル レインボウ」松浦亜弥(2007)
作詞は久保田洋司さんです。
・男友達よ 絵を描いて暮らしているわ
この歌詞の主人公は絵描きさん。「私」が「男友達」へかける言葉です。
・セルビアを一人きり旅して 青い絵の具 一筆加えた
セルビアのアートで「ナイーブ・アート(素朴派)」というジャンルがあるそうです。素朴で独創的な絵の文化とのこと。
・私にはとてもわからないけれど あぁ 「これで完成さ」とつぶやいた 私は心に 色を重ねてもまだ 描ききれない絵がある
この「絵」は「愛」や「夢」なんじゃないかと思います。これで完成、と言えども、まだ追い求めたい愛がある。「夢」としたら、完成しきれていない自分の比喩ともとれます。
・彼の友達は ギター弾き 街から街へと
2番では「男友達」である「彼」のギター弾きの友達を描いています。一緒に演奏を観に行ったのでしょうか。「どんなに楽しそうにしてても 爪弾く音はなぜか 切ない響き」に表されているので、バーでちょっと弾いてるような流浪のミュージシャンなのでしょうか。
・私にはとてもわからないけれど あぁ 「昔の曲さ」って さりげなく 私は心に ふるえてるだけでまだ 鳴らない音が ある
この「音」もまた「愛」であり「夢」なんだと思います。心の奥底にあるけれど、疼いてるけれども、完成しない愛する気持ち。
・自信もなくて 誰もそばにいてくれない時 そんな時きまって 声をかけてくれる
どん底のときも声をかけてくれる存在、それが「男友達」なのでしょう。
・私にはとてもわからないけれど あぁ 「それでいいんだ」と言ってくれる 私は心に もうすぐ完成する 大切な絵が ある
私の心の中でもうすぐ完成する、大切な「愛」という「夢」。それこそが「男友達」である彼との愛。このアルバムを通じてのテーマでもありますが、「私にはとてもわからないけれど」と、どこか生き急いでるかのような「私」を、「それでいいんだ」と肯定してくれる彼。あるがままに生きて良いんだよ、と教えてくれる。素敵な曲です。
#ハロプロ歌詞写経 第24回 静かな愛の提案ー結婚しない二人ー
本日の楽曲「結婚しない二人」松浦亜弥(2009)
作詞はKANさんです。
・君がほくを頼って ぼくが君を支える
・君がぼくを叱るように ぼくは君に甘える
交際している男女の物語、主人公の「ぼく」は30代くらいでしょうか。ちょっとリッチなカップルに見えます。「君」は「ぼく」を叱るけど頼ってくれる。「ぼく」は「君」に甘えるけど支える。二人のちょうどいいバランスが伺えます。
・欲しいものはほとんどもう君は持ってるはず
・あと何が欲しいのと詰めよるぼくに 君は勝ち誇るように言った 「理屈ぬきの強引さだけよ」
この部分ドキッとします。「ツーシーターの外車」「トスカーナのワイン」さらに「堅めの肩書きに ジェントルなボーイフレンズ」と、リッチなプレゼントをされているにも関わらず、本当に欲しいものは「理屈ぬきの強引さ」とお金が買えないスピリチュアルな部分。「ぼく」も言われてドキッとしたと思う。
・二人はfree 時間もスタイルも いつでもfree 縛らず邪魔されず すべてがfree
恋愛や結婚の歌というと、好き・愛してると深い愛とか描かれがちですが、この曲は一線を画す「二人はfree」。愛はあるけれども、お互いの生活や仕事・性格を尊重しあう、そんな愛の形。
・人間愛こそすべてと今も昔も誰かが歌う ぼくらにとってそれは 点数に追われた受験生達の 現実逃避的理想論としか思えないけど
だからこそ、フリーな二人にとっては「愛こそすべて」ではない。生活や仕事などお互いに大切なもののほうが「すべて」だと思っている。
・君と交わす言葉に ◯か×をつけたら 父兄呼び出されても 仕方ない程度の成績だろうねきっと
二人の会話はくだらないことしかないんだろうと思います。どうでもいいことを話せるくらいの関係。
・二人はfree 言葉にしなくても いつでもfree 静かな愛がある
当たり前に「静かな愛」があるからこそ、くだらない話もするし、二人は別れないでいられる。「まわりに変だと言われながらも」というフレーズにもあるように、一般的なベタベタな恋愛ではないから世間的には変に思われる、でもそのスタイルこそ「ぼくなりに君を愛してる」ということなのです。
・二人はfree ときどきはキスして いつでもfree もちろんその先もする それでもfree 今の仕事にプライド持てる限り ぼくたちはこのままイーヴン
・急にベイビーでもできない限り 二人はこのままイーヴン
結局「愛」より「仕事」の方が大切だから、とりあえずの愛の形はするけれども「二人はこのままイーヴン」。何度もですが、恋愛や結婚はベタベタすることが全てではないと。今や事実婚や夫婦別姓など、結婚一つとっても色々なダイバーシティがありますよね。結婚式も必ずではないですし。恋愛にしても十人十色のやり方がある、それぞれが愛し合ってるならベタベタでもフリーでもいいじゃないかという、静かな愛の提案です。
#ハロプロ歌詞写経 第23回 黙りのニュアンスー沈黙ー
本日の楽曲「沈黙」太陽とシスコムーン(1999)
・悩ミ 笑顔 Tシャツ ルージュ セリフ 途中 ジョーク 冷静
この歌詞は本当に言葉数が少ないので、行間をどう読むか…。私(彼女)の最近の悩みで、笑顔でいる彼のTシャツにルージュがついていた。彼はジョークを言ったりして、冷静を保っていた(私もその間は冷静を保つようにしていた)。
・彼女 ムード 下降 最終 ボーダーライン
それをみた私(彼女)は一気に気分が下降する。そして迫る、終電というボーダーライン…。
・沈黙 携帯電話 突然 Lu… 情況 フリダシネ 未解決
少し沈黙になって、問い詰めてみようとする。今だ、というそのタイミングで携帯が鳴り、はぐらかされる。この時の「沈黙」は、ちょっとビクビクしてるような、怖い瞬間に見える。
・想像 相手 極上 強敵 姿 皆無 悪イ予感
想像するに、新しい相手(浮気相手?)は凄い強敵。…実際強くなくとも、きょうてきと思えてしまう。それで今日も彼と待ち合わせしてるが、約束の時間に姿はない。悪い予感がする…。
・未来 ムード 絶望 最新 勝負所
未来はもう絶望的な展開しかない。そうとしか思えない。だから最新(=今)問い詰めるのが勝負。
・沈黙 34分 突然ハ許サナイ 白カ黒ナノカ 最終的瞬間
待ち合わせから遅れたn時34分、彼が突然現れる。なんで遅れたのか?と、ここで白黒はっきりつけさせる「最終的瞬間」…。会った瞬間も「沈黙」だったのかもしれない…意を決して問い詰めるための、怒りを込めた「沈黙」。
#ハロプロ歌詞写経 第22回 今までとは違う「運命の恋」ーGET ALONG WITH YOUー
本日の楽曲「GET ALONG WITH YOU」中澤裕子(2003)
・近頃 私 恋をしています 今までのとは 違う感じで
「私」は恐らく20代後半くらいでしょうか。彼氏が居て、今回はどうも上手くいってる。このまま結婚するんじゃないかと思うくらい、素敵な彼だと。
・就職しても 今思えば 学生時代の続きだった 誰かが失恋 した日はもち 朝までずっとカラオケコース
今でいう女子会ノリですよね。失恋したら相談付き合うよ、って。で、
結局パーっと忘れようよ!ってオールしちゃう、みたいな。良い友達…!
・男運が悪かった事に 今は 感謝してるは デコボコ長~い あぜ道に あなた あなたが立っていた
良い彼と良い友達に恵まれて順風満帆そうな「私」も、今まで男運は悪かった。それが「デコボコ長~い あぜ道」だからそうとう苦労してるんです。でも色んな人と付き合って別れて、その繰り返しがあったから、今の運命の彼に出会えた。「あなた…あなたが!立っていた…!」くらいの嬉しさなんじゃないかな。
・中学時代 母に習い 彼の為にって パイを焼いた たった一個 作るために 何個分も材料使った
・かわいい時もあったけど 今じゃ 冷蔵庫にあるもので 朝ごはんを彼の為に たった五分で作れます
この部分が素敵すぎて震えるくらいなんですが、昔は不器用なパイを焼いてたけれども、今じゃ運命の彼と同棲して、ちゃちゃっと料理作れちゃう。この「私」の成長ぶりに感動してしまう…。
・近頃 私 恋をしています 今までのとは 違う感じで GET ALONG GET ALONG GET ALONG WITH YOU いつまでも 好きみたい…
「GET ALONG WITH YOU」=「あなたと良好に付き合えている」の意。「いつまでも 好きみたい…」や2番の「どこまでも 行くみたい…」の辺りは、彼の肩にもたれて言ってるかのような。「好き」から「愛してる」への過渡期にも取れる。本当に素敵な恋の歌です。末長くお幸せに!
#ハロプロ歌詞写経 第21回 いつか「ポジティブ連鎖する」日が来るーWhat is LOVE?ー
本日の楽曲「What is LOVE?」モーニング娘。'14(2014)
・贅沢にキリがないことは 承知の上だけど 前後左右見栄張って しまうのが常
高いものかったり食べたり、あるいは豪華な旅行したり、マウント取ってよく見られたい・他人より上に見られたいという人間の性はあると思います。
・勝利の女神は どなたに微笑むでしょうか 勝利の女神は 誰にも平等でしょうか
ただそのマウント取りが正しいのか?という問いをここでする。そうでない人(≒貧民…というよりは庶民)が勝利してしまうことだってある。
・怒ってるって 腹減るって 泣いてるって 笑えるって 熱くなって 興醒めて 生きるのって 忙しい
人間の感情ってネガティブ・ポジティブがコロコロ変わって確かに忙しいです。色んな些細なことで嬉しく感じたりストレス溜まったり、これが半日~1日という短いタームの中もあり(「怒ってるって 腹減るって」とか)、数ヶ月~数年という長いタームの中もあり(「熱くなって 興醒めて」)。
・What do you want? Is it necessary?
直訳すると「何がほしいんだ?それは必要か?」というニュアンスかと。1番の歌詞でいう、あれだけワガママ言ってそれが本当に必要なものなの?という問い。
・たった一人を納得させられないで 世界中 口説けるの たった一人を不安にさせたままで 世界中 幸せに出来るの
本当に必要なもの(スキル)はこっちでしょ!という答え。私/僕を納得させることもできず、それでイラつかせて、そんなんで恋なんて出来るの?口説けるくらいのスキル付けなさいよ、くらいのニュアンスだと思います。その通りです。
・楽しそうな祭りがあれば 行ってみたいけれど 他人が遊んでるうちに 働く勇気
特にシフト制だと休日出勤で遊べないこと、ありますよね。シンプルにそれに対する嫉妬、ストレス…。
・勝利の女神は どなたに微笑むでしょうか 勝利の女神は 誰にも平等でしょうか
2番においては、その休出を我慢した私は偉いのか、得をするのか?それとも楽しんじゃってる人が偉いのか?というニュアンスに変わります。
・KISSをして ジェラシって 余所見して ドラブって 愛し合って 疑って 生きるのって ややこしい
「欲があれば嫉妬もある」「ポジがあればネガもある」という人間の難しさです。すんなり幸せなままいかない…。これは恋愛や人間関係だけではなく、災害やパンデミックにも当てはめられるかなと感じます。
・たった一人のちょっとした正義感で 世界が輝くよ たった一人のポジティブなオーラから 世界がポジティブ連鎖する
ネガポジの繰り返しだから人は疲弊するし難しくなるんですよね。それがポジポジ…と続けば幸せなまんまじゃないの?という極めて単純な思考なわけです。
でもなんで出来ないんだろう…。色んな人がいるし、色んな思考があるし、色んな不可抗力があるから、それがやっぱり人間の難しさなんですよね、と行き着いてしまう今。どうかポジポジと続く世があれば幸せなんでしょうね。ハワイとかは、ポジポジな思考で成立してきたという話も聞いたことがあります。そういう世界が実現できないことはないので、とにかく「たった一人のちょっとした正義感」を積み重ねていくしかありません。それこそコロナ禍を終息させるために一人一人の正義感で、人間皆もがいてますからね。いつか「ポジティブ連鎖する」日を夢見て、小さなとこからポジポジな生活したいですね。そうしていくしかない。